心地よい風が頬に当たる。


ポカポカと暖かい日差しが教室に差し込み
窓の外では桜の花びらが舞っていた高校3年生の春。

4月ならではの陽気な日差しにウトウトする



今日も平和だな……そんなことを考えていた
らコツんと何かが頭に当った。



目線を机の上に向けるとくしゃくしゃと丸
められた紙。




閉じそうなまぶたをどうにか開き、これを
投げたであろう隣の席の主をみる。



彼が目線で中身を見ろと言ってきたのでガ
サガサとあけて中身を確認すると、


「次、おまえ当たるぞ」


親切にもそう書いてあったきれいな字。


黒板に目を向ければ教師と目が合った。


「α = -2 β = 3」


私は座ったまま答えを述べて、再び浅い眠
りに着いた。