イジワルな初恋


二学期の期末テストが終わって冬休みに入っても、私たちの図書館通いは続いている。


『りりーのおかげで期末テストの結果も今までで一番良かったよ。ほんと、ありがとな』

『私はなにもしてないよ』

『でさ、今日は勉強切り上げて……どっか行かない?』

『え?ど、どっかって……?』


中矢君の突然の言葉に、私の頭が追い付かない。

『どこでもいいよ。りりーが行きたいとこ行こう!』

『急に言われても……』

『行きたいところ、ないの?』


『……ん~、ショッピングモール……かな』


中学生になって友達ができたら、行ってみたかった。

何をするわけじゃないけど、洋服や雑貨を見てあれがかわいいとか欲しいとか、そんなこと言ったり、途中フードコートでアイスを食べたり、プリクラを撮ったり……。

そんな私の小さな夢が、中学三年の冬休みにやっと叶った。


『これ、どこ見ればいいんだよ』

『ほらあそこ、レンズのところだよ!』

『なんか恥ずかしいんだけど』

『いいから、ちゃんと笑ってよ!ほら、3、2、1……』


ーーパシャッ


『プリクラなんて人生初だ……恥ずかしくて死にそう』

顔を赤くしながらすぐにその場を離れ、通路にあるベンチに座った中矢君。


私もだよ。私も、友達とプリクラを撮ったのはこれが初めて。

本当は私だってすごく恥ずかしかった。だけどそれ以上に、すっごくうれしかったんだ。

残り僅かな中学校生活、一緒に過ごせる時間は少ないけど、こうやってひとつ一つ中矢君との思い出を増やしていきたい……。