茂みの向こうには
ミャーミャーと鳴きながら座りこんでいる美鈴に子猫がすり寄っていて
美鈴はビックリした顔で大樹を見ていた
大樹も目を見開き
美鈴を見ていたが
美鈴の周りにネコ缶やネコじゃらしやブラシ
それらを入れてきたであろう手提げをみつけ
大体の察しはついたようだった
この二週間の間に子猫を見つけたんだな…
そりゃ見つからないわけだ
大樹が一人納得していると
逃げるタイミングを逃してしまったようで
美鈴は子猫を抱き締め俯いていた
「何で俺を避けるの?」
「……」
大樹が美鈴の目の前にしゃがみこみ
問いかけても
答えがかえってこない
「……俺が嫌い?」
顔を曇らせ
核心を突いてみたが
しばらく待っても答えは返ってこない
これじゃなかったのか?と次の手を考えていると
「…ら……………じゃ………い……」
かすかに声が聞こえてきた

