(見つからない…。不安と期待の思い一杯で飛行機の中を過ごし、やっと着いたのに…。)
私は憧れていたフランスへの留学を実行に移した。半年ほどかけて全部自分で決め、準備をした。世の中から見れば大したことのない、普通の事かもしれない。しかし私にして見れば一大事であった。幼稚園からエスカレーター式の学校という狭い世界の中で親から引かれたレールの上を歩いてきた私には一人で海外に留学をするというのは例え1ヶ月という短い期間であっても大変な事であった。しかも私は次女でしっかり者の姉とは違いとにかく甘えん坊である。私にとっては本当に冒険であった。当然両親は心配をした。でも高校から留学を目標にフランス語を勉強していたので心配ながらも応援をしてくれた。クレジットカードを作ったり、ホームステイ先のお土産の準備やらで時間はあっという間に過ぎ、両親に見送られ飛行機に乗った。様々な不安があったがどうにかなるだろうと思う事にして飛行機の中を過ごし、私は無事フランスの空港には着いたのだった。
到着をしたら迎えの人がいてくれるとの事だった。私が1ヶ月間過ごす町はパリよりも北にある田舎であったしいきなり電車を使って行く勇気はなく迎えを頼んだのだ。ところが空港に着き、プレートに自分の名前を探したが持っている人がいない。いきなり私はピンチを迎え不安が押し寄せてきた。