その瞳をこっちに向けて



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 夏休み同様、休日になるとごろごろして過ごすというのはずっと変わらない。


日曜で学校も休みだし、友達と遊ぼうぜ!なんて元気もなけりゃ、彼氏とラブラブデートなの!なんてリア充でもないわけで。


いい感じに今日も自堕落生活へと突入して、現在夕日が窓から見えている。


 後は夕食を食べて寝るだけだな…なんて考えながら、自分の部屋でごろごろして漫画を読んでいると、突然大声で私を呼ぶ母の声が響いた。


「まーきー!!」

「何ー?」


部屋のドアを開けて顔を出すと、階段の下で手招きんしている母。そして、「友達、来たよ」と告げる。


「えっ、友達?」


約束なんてしてないし、流石の鈴菜もこんな夕方から遊ぼうなんてやって来ない。


だから不思議に思って首を傾げたのだが、何かを勘違いしたらしい母が急に興奮した声を上げた。


「えっ!えっ!ええっ!もしかして彼氏なわけ!?」

「か、彼氏!?」


どこをどうなってそうなったのか全く分からないが、目を見開いて驚いている私の反応に興奮していた母の声が一気に急降下する。