なみだ雨




はるかは、じゃっと小さく手を上げる。
くるりと背中を向け、歩き出す。


どんどん離れていく背中。

練は思わず走り寄りはるかの手を握る。

暖かかった。


振りほどこうとするのを強く、だけど優しく握る。


「待っ…」

「あの人には、梁島さんの支えが必要です。幸人さんがもし見つかっても、梁島さ…」


背中に衝撃が走った。
何が起きたのかわからなかった。
背中に感じる温かい体温。

あ…。



「ずっと好きだった」


耳元で囁かれる低音。
耳に吐息。
頬にかかる練の髪の毛がくすぐったい。
背中がじんわり重い。



「どこにも行かないで」