九条くんは、王子様



「そうだ、相笠さんは、神様に願いたい事とかある?」



願いたい事かぁ、願いたい事…




「巨大なパフェが食べたい!!メロンの!」

「ふふっ…相笠さんらしいね、じゃあ、俺が叶えてあげる」

「えっ、ほ、ほんとに?」


メロンの巨大パフェなんて、売ってるのかな…?


「ほんと」

「わぁ…あ、ありがとうっ!」

なんか、九条くんの表情…笑顔が多くなってきた

打ち解けられた証拠なのかな
そうだったら、嬉しいなぁ


「そういえば、この広いマンションに一人暮らしは、寂しいね…実家が遠いの?」



…………

それまで笑顔だった、九条くんの顔が、ピシャリと真剣な顔に変わる


…わぁ…聞いちゃいけなかったかも



「寂しくはないよ、慣れてるから」

そう言い放った九条くんの顔は…

何考えてるか分からない、いつもの九条くんの表情だけど、少し清々しい気もする


「そ、そっかぁ」