九条くんは、王子様




「部屋の中、すっきりしてて、綺麗だね!」

はっ!

思わず、言葉にしちゃったけど…
まずかったかな…


「あぁ…必要最低限の物しか、買わないんだよね」


「エッエコだね〜」 あははは…


エコだね〜とか、返事のセンス、本当に無さすぎ…


「相笠さん、水か紅茶か、コーヒーぐらいしか、ないんだけど…どれがいい?」

「あ、ありがと!紅茶で、お願いします」

高級感溢れる室内に、慣れなくて…
緊張するなぁ

絶対に…紅茶、零さないようにしなきゃ


キョロキョロと見渡すうちに、透明なガラスの机に目を向ける


…あれ、体温計…と白い袋…

勝手に見ちゃダメだよね…

でも、もしかして…

ガサガサ"と、音を立てながら、袋の中身を見る


やっぱり…薬だ