九条くんは、王子様



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それから、毎日

カオルちゃんにケーキ作りを教わる日々が続いた



「なかなか、上手くなったじゃない…」


「わぁ!ありがとっ!カオルちゃんのおかげだね!もう、カオルちゃん大好き!」



「……はぁ、本当、調子狂う…」



「ん?どうしたの?」


私は、カオルちゃんと仲良くなれたと思うし、好きだけど…たまに、カオルちゃんは、唇を噛んで憂鬱な顔になる



なんでだろう…

悩みがあるなら、教えてほしいな
私に何かできる事があったら、してあげたい



「あと、1週間後ね…イブまで」


「うん!」


「私が、こんなに指導したんだから、由衣は、きっと美味しいケーキが作れるわよ!」


「うん!でも、まだ九条くん誘ってないんだよね…」


「ええっ!はぁ…ほんとに、肝心なところをあんたは…」


「でも、カオルちゃんのおかげで、自信がついた!わたし、頑張るね!」