九条くんは、王子様





「ねぇ、カオルちゃん!靴、脱いだ方がいいかな?」



「はぁ?何、言ってんのよ」


「いやぁ、汚したらダメかなって…」


「大丈夫だから、靴、履いたまま乗りなさい!」


「う、うん!」



おそる、おそる車に乗り込む


すると、車に揺られ、15分…




わぁ!でかい、高級マンション!
九条くん家ぶりの、衝撃だ!


最上階へとエレベーターが上がっていくと、その高さに足が竦む



「ほら、突っ立ってないで、早く上がりなさいよ!」



「う、うんっ!」


広い玄関だ〜!玄関、広いだけでテンション上がるよね!


スッと目線を上に向けると、壁に写真が掛けられていた


「これって、イギリス?」


「そう、よく分かったわね」


「えへへ…あ、両親は、イギリス?」


「そうよ、私だけ日本へ帰ってきたの」


「カオルちゃん寂しくない…?もしかして、なんか、理由があるの?」


あ、また、何も考えず聞いちゃった…
私の悪い癖…と、とっさに後悔する


「それは、葵に会いにって言いたいところだけど、別の理由よ」