すると今泉さんは戻って来たのを見て私は急いでノートを鞄に突っ込んだ。
「すみません、お話の途中で...」
「ううん、大丈夫...それより...早苗って?」
「元カノの名前です。偶然かも知れないですけど青柳さんと同じ苗字なんですよ。」
この時私はプツンと何かが切れたような感覚を覚える。
元カノが『青柳早苗』ということは...
「青柳さん?」
彼の言葉にハッと我に返り、「ごめん。何でもない」と話す。
「あの...もうそろそろ酔って来ちゃったから急いで帰らなきゃ...」
そう言うと、ふらっとしたところを今泉さんに腕を掴まれて支えられる。
「大丈夫ですか?どこかで休みましょう。」
「うん...」
容疑者が決まった。
この男が、早苗を殺したんだ。

