「早苗の事...?それは大丈夫だって言ってるだろ。心配は要らない。」
「...っ!?」
「早苗」という言葉に私は息を飲んだ。
早苗は私の実の妹の名前...それに今泉さんがさっき言ってたあの言葉...。
『1ヶ月前には居ましたけど...趣味が合わなかったのか、浮気されて...』
1ヶ月前、妹は生きていた。
早苗の彼氏はもしかして今泉さん?
早苗が浮気?ううん、有り得ない。
当時、電話では彼氏が出来たって嬉しそうに話していたし毎日幸せだって言っていた。
それに...早苗のことについて心配は要らないってどういうこと?
つまり、今泉さんが早苗を殺した?
ううん、そんな訳ない。ていうかそう信じたい。
でも、もしそれが本当なら...復讐のチャンス...いや、それでもまだ証拠が足りない。
復讐が出来ない。
なんてことを考えているうちに休憩時間がもうすぐで終わろうとしていた。
「あ...もう行かなきゃ...」
後でもう1度頭の中を整理しよう。
取り敢えず私は弁当を彼の荷物の近くに置き、休憩室を出て仕事に入った。

