「……いこ、裕那。帰ろ」 慎亀センパイは、そう言って右手を差し出した。 これって、手を……繋ぐの? 「ん。はやくしろよ」 ーぎゅっ 私は、センパイの手を握った。 ……手汗がハンパない。 「……慎亀センパイ? あ、あの……」 「葎でいいから」 「え?」 「だから、俺のこと慎亀センパイじゃなくて葎でいいから」 それって……、呼び捨て? 「あのケバい女たちよりも俺は、裕那に葎って呼ばれたい」 ードキッ