言っても…いいですか?

何事もなくSHRが終わり、今からジャージに着替えて部活。

パンッ!!

頬を叩き、気合を入れる。
"よし、頑張ろう私。出来る、大丈夫。"

そして、部室に行って部員と話していると変な胸騒ぎがした。

大丈夫、気のせいだよね…?

パタパタパタ……

今まで話してた部員が静かになって、気がつけば皆グラウンドへ行っていた。

あ、ボーッとし過ぎたか。

よし、じゃあとりあえず部室のゴミを片付けよう。

そう思い部室のドアを開けると、中ではまだ村田先輩が着替えてた

「わぁっ、、!ご、ご、ごめんなさいっ!」

びっくりして、めっちゃ噛んだけどまさか人が中にいるとは思わなかった汗

それに、村田先輩だなんて……。

まぁ、村田先輩が出るまで座って待っておこうと思いドアの近くの椅子に座って待つことにした。

うとうとしかけたところで誰かの足音が聞こえ先輩かと思って顔をあげると…

「へぇー、マネージャーさぼりなんだぁ。
 マネージャー、さすがだね笑
 よし、先生に報告しちゃお~♪」

全身に鳥肌が立ったのが分かった。

なんでなんで?!何しに来たの?

「なん、でなんでいるの?
 私は、部室の掃除をするのに部室が開くのを待っていただけ。
 さぼってなんかない!
 あんたなんかが私のこと分かるわけないよっ!!」

あぁ、久しぶりにキレちゃったな笑

でも、少しスッキリした。

そんなことを考えていると、

「あんた、記憶喪失なんでしょ?
 昔、あんたがみいにした事覚えてる?
 みいに、怪我させたんだよあんた。
 よくそんなことして、平気な顔してられるよね?
 思い出すために、同じことしてあげようか?」

今、私はこの目の前の彼女が言っていることが良くわからない。

私は、小さい頃は母親に育てられて保育園では楽しく過ごしたって父親から聞いている。

母は、私が小学校に上がる前に交通事故で亡くなったと聞いた。

私は、小さい頃の記憶がないだけ。

大丈夫、記憶喪失なんかじゃないよ、ね…?

「違う、私は記憶喪失何かじゃない!
 ただ、幼い時の記憶が無いだけ。
 勝手なこと言わないでよ!!」

「へぇ、じゃあ思い出させてあげるよ♪
 これは何だと思う?」

そう言って彼女が出したのは…ナイフ

どうやってそんな物持ってきたの?

「ナイフでしょ?」

「そう、正解。
 じゃあ、これを何すると思う?」

この人は、一体何を言いたいの?

人を殺すの?

え、ころ…す?違う違う違う。

「な、何に使うの?
 人を怪我させないで。やめて。」

「おぉ、ナイフでびっくりしないんだ?笑
 さすがだね。
 本当に記憶が無いとは思えないよ、」

ねぇ、村田先輩中にまだ居るんだったらもう少し出てこないで。

今は、危ないから。お願い、出てこないで。