「好きなんだけど、付き合ってくれない?」

「…」



…あたし、七瀬莉々...高校二年です...。

今、告白されてます...!!


最近のあたしの悩み…それは、告白をよくされること。

自慢とかじゃなくて、本当に困ってる。


返事だって、断る方はとっても体力を使うんだよ?!

正直、迷惑…。



今日もいつもみたいに断ろう…。
そう考えていた時。



「その人、俺のだからダメ」



急に、背後から声がして、腕を引かれた。


驚いたけど、そのまま、その大きな背中におとなしくついていく。


……誰?!

まあ、助かったけど…。



いつの間にか、中庭まで来てた。



「やっぱ、ここ広すぎ…」



ひとり事言ってる…。


なんか可愛い…。

3年生かな?背が高いし。



「生きてる?」



突然、その人が止まって振り向いた。



「ふうぇ?!」



やば…。

びっくりして、変な声出た…。

恥ずかしい。



「い、生きてます…!」



あたしは笑顔でその人の顔を見る。

……ィ...イケメンだ...!!


まるで、雑誌に出てきそうなくらい、カッコイイ。

スタイルも抜群!!


こんな人、いたっけ…?




「あんた、2年だろ?見えねー…」




…は…は…はい?! 

今、すっごい失礼なこと言いませんでした?!


見えないって…そりゃ、バカっぽいとか言われるけどさ…。


先輩って呼ばれるだけで嬉しい、おこちゃまだけども!


それでも、明るく生きてるんです!



「…そちらは…3年ですよね?」



あたしは、言いたいことを全部飲み込んで、質問返し。

本当は、思いっきり反論してやりたかったけど。



「俺の事、知らねーの?」

「え、と…はい。」

「ふーん」



普通、初対面の人知らないでしょ…。

あ、そーいえば何であたしが二年だって知ってたんだろ?


「俺、1年」


平然と言ったけど…い、いちねん?!

あたしより年下じゃん!


大人っぽくない?!
ずるい!!!!


「…あ!さっきあたしのこと、こいつって言ったでしょ?!」

「は??だから、何?」


何って…こいつ、馬鹿なの?!



「あたし、先輩!!!後輩なんだから、敬いなさいよ!!!」

「……は?センパイ、バカだろ?」

「はあぁぁぁぁあああ?!」



バカって言われたんですけど?!
しかも、後輩に…!



「馬鹿っていう方がバカなのよ!それぐらい、小学校で習うわよ!!」

「…ぷっ…。……意味わかんねーし…」 


おいおい!!失礼すぎる!!

でも、こんなので、心が折れるようなひ弱な女子じゃないのよ!!



「敬語!それなら使えるでしょ!」

「あー、もう使い方忘れた」



…何なの?!こいつ…!!

あたし、これ以上話してたら、感情が爆発して、大変なことになりそう…。


よし、離れよう…。



「とりあえず、ありがと…じゃあ!」


逃げるように走り去るあたし。
 

先輩なのに…!!
悔しさを抑えて、教室まで戻った。