「なんなのっ。」
 涙であふれた目をこすりながら、真生は校庭を歩いていた。振り向くと、さっき無意識に飛び出してきた保健室の窓が開いているのが見えた。そして、その窓を見ると、さっき見たあのあざけている顔がはっきりと思い出された。
 ―――あのふたりが感じたのもこれなの?
 震えを懸命に押さえながら、真生は思っていた。