ゆえん



大宮からは電車で移動することにした二人は、五時前に東京駅に着き、五時を待って修二に電話をした。

修二は「まだ仕事が残っているが一時間ぐらいなら抜けられるから」と、東京駅まですぐに来てくれることになった。


「私が来ていること、話してないんでしょ?」

「ああ。話したら来るかわからないだろ」


理紗はこくりと頷いた。


待ち合わせの場所にやってきた修二を見て、理紗は息を飲んだ。

それは冬真も同じだった。

そこに現れたのは二人が知っている大学生の修二ではなく、冬真と同じ歳とは思えないほど老け込んでいた。

緊張感のない体型になってしまった修二は、理紗のことを見て目を見開き、まさかという表情で冬真と理紗の顔を見比べていた。


「久しぶりだな」


冬真の言葉に修二も「おう」と答えたが、理紗の顔をマジマジと見ていた。


「沙世ちゃん、じゃないよな……まさか、理紗か?」

「……うん」