「ごめんなさい」
「ほら、リクが謝っているから、クルミも謝りなさい」
喧嘩両成敗のように、互いに謝る。
これも浩介さんが教えてくれた。
冬真さんも私も、そしてあの何でも出来そうな楓も、実は一人っ子で、こういう状況に慣れておらず戸惑っていたが、浩介さんが助言してくれた。
浩介さんは三人兄妹の真ん中なので、実体験から教えてくれる。
ゆえに説得力がある。
「ごめんなさい」
お互いに謝る姿を見て、冬真さんが抱いていた来瞳を下した。
「二人ともいい子だ」
二人同時に冬真さんに頭を撫でられて、二人とも満足そうに微笑み「リク、お絵かきしよう」と手を繋いで休憩室に行った。

