翌日もその翌日も、理紗と直斗は『You‐en』で待ち合わせていた。
直斗の学校が終わるまでの時間、顔見知りになった客ともお天気なんかの他愛のない話をするようになった理紗の表情は、穏やかにも見えた。
ただ一人で窓の外を眺めている理紗の表情は、うっとりと幸せそうだったり、急に曇ったりとコロコロと変わる。
そこへ直斗がやってくると、目が輝きを放ち、そして二人で店を出て行く。
不思議な人だ。
沙世子に似ているという外見だけでなく、目を引きつける何かを彼女は持っている。
冬真は自分の前に現れる人にそういう特別な魅力のある人が多いと感じていた。
浩介に楓、そして沙世子、それはオーラというものなのか知らないが、無意識に目がいってしまう人たち。

