ゆえん



写真から目をそむけ、部屋を見る。

二人掛け用のソファーにはベージュのカバーが掛けてあり、その横に本棚があった。

私はその本棚の前に立った。

アルバムが数冊と、何冊かの本があった。

その中に背表紙に『DIARY』と書かれてあるものを見つけた。


見てはいけない。

勝手に見てはいけないことは重々承知していた。

でも、右手はその一冊を抜き取っていた。

表紙の下の部分には、英字で名前が書かれていた。

沙世子さんの日記だ。

手が震え、思わず落としてしまった。

落ちたことで日記帳は床の上であるページを開いていた。

恐る恐る私はそのページの文字を読んだ。