ゆえん



そっとドアを開け、照明をつけると、壁に沢山の写真が飾ってあった。

どの写真も可愛らしい額に入れられていて、瞬時にそれらは沙世子さんが飾ったものなのだと解ってしまった。

冬真さんと冬真さんが愛してやまない家族が一緒に写っている。

沙世子さんも私も髪が長いという点を覗いても、彼女は私によく似ている。

自分で見てもそう思う。

冬真さんと沙世子さんの間に、マユより小さな女の子が、二人に抱かれて写っているものが多い。

この子が真湖ちゃんだろう。

冬真さんに少し似ている気がする。

マユにはあまり似ていなかった。

眺めていると目頭が熱くなる。

傷つけられたことが重大で、他人が傷つくことを何とも思っていないところが、私にはあると自覚している。

でも、あの事故の事だけはこんな私でも罪深いことをしたと思ってしまう。

私があの場に飛び出さなければ、事故なんて起きなかったはずだから。

当時の私もそれを感じていたから、東京に逃げたのだ。


冬真さんは私が出会った中で一番素敵な人だ。

その人を知らなかったとはいえ、私自身が不幸にしていたとを思うと遣り切れない。

それなのに彼のことが好きでたまらない。

償いたい気持ちと愛してほしい気持ちの出口がないのだ。