ゆえん



今日も三人で冬真さんの家まで歩いて帰る。

マユはかなり冬真さんと私に慣れたようで、右手は冬真さん、左手は私と繋いでご機嫌に歩いていた。

傍から見れば、私たち三人は家族連れに見えるに違いない。

事故さえなければ、冬真さんは沙世子さんと娘の真湖ちゃんとこうして歩いていたはずだろう。

申し訳なさでいっぱいになると同時に、事故が無ければ、私は冬真さんに出逢うことが無かったかもしれないと思うと胸が痛くなるのだ。


マユと二人で先にお風呂に入り、私はマユに訊いてみた。


「マユのお父さんはどんな人かな」

「マユのパパは、ちがうおうちにいるの」

「そっか」


違うお家か。

美穂子は離婚したのだろうか。


「でもね、またパパができるってママがいったの」

「え?」


マユは顔を上げて、嬉しそうに微笑んだ。


「おかねいっぱいもってるパパ」

「ママがそう言ったの?」

「うん!」


こんな小さな子供に、適当なことを話す美穂子に腹が立つ。

そんな母親を健気に待っているマユが不憫になってきた。