ゆえん



冬真さんが子供好きだということは訊かなくてもわかった。

ただの子供好きというよりも、マユの姿に亡くなった自分の娘の姿を重ねているようにも感じられた。


店に居る時よりもマユはリラックスをしているようで、笑顔が多かった。

でもベッドに入って眠る時になると「ママは? いつくるの?」と訪ねてきた。


「まだね、病院なの。だから、えっと、トウマとリサと三人で待っていようね」

「トウマとリサはいかないよね?」

「うん?」

「マユといっしょだよね」


日中、店で楓のところに行くときに見せた表情をマユがした。

その時初めて私は気付いた。

マユは私にも置いて行かれるかもしれないと不安を抱えているのだ。


「大丈夫。マユのママが戻るまで、トウマとリサはマユの傍にいるよ」

「うん!」


マユは安心したように瞼を閉じ「おやしゅみ」と言った。