三人の共同生活の場である冬真さんの自宅に三人で帰る。
傍から見ると家族三人の後ろ姿といった感じだろう。
私が借りた部屋の中には沢山の荷物があった。
既に大きめのソファーベッドが置いてあり、マユと私を驚かせた。
「このソファーベッドを買うなら、今日中に運んでくれるって言われてさ。そんなに高くなかったから」
大きな買い物をしてきたことを恥ずかしそうに冬真さんが言い訳していた。
普段の冬真さんからは想像できなかった表情だ。
マユの服もたくさん買ってきてあった。
冬真さんは「どれが良いかわからなくて、とりあえず薦められたものを買ってきといたよ」と苦笑いをしている。
マユはソファーベッドの上で、早速ままごとセットを開けて、おもちゃの包丁で野菜を切っている。
この野菜ももちろんおもちゃだが、包丁を入れるとマジックテープの部分が剥がれ、野菜を切ったような動作が出来る。
切るたびにマユは目を大きくして、二つに分けられた野菜を冬真さんと私に一つずつ手渡していた。
渡されるたびに冬真さんは笑顔で「お、にんじんだ」と野菜の名前を言った後に「ありがとう」と言っている。
私も冬真さんに習って「美味しそう。ありがとう」とマユに言うと、マユは嬉しそうに次の野菜を手に取っていた。

