修ちゃんから抜け出せたのは、そんな対象とはかけ離れた冬真さんの存在だった。

過去を何も知らないで言葉を交わし、今までに出逢わなかったタイプの男の人で、何故か私を助けてくれた人。

頑なな私の想いを矯正してくれた恩人。


ネットを通して出会う人の全てに下心があるとは言わないが、画像を求めてくる男性等が、冬真さんと似ているはずがあるわけない。

そんなことは分かっているのに、一抹の寂しさを紛らわすために気を引く言葉をメッセージに載せて、相手をその気にさせてみる。

「画像を送ってくれたら送る」と書き、送られてきた画像を見ては幻滅し、あとは自分のページに来られないように相手のIDを登録すれば良いのだ。

たとえ、相手が画面の向こうでショックを受けていようが、怒っていようが構わない。

相手が送ってきた画像が実際の本人の画像かどうかなんて確証もないのに、どうして私が自分の顔を送らなくてはならないのだとさえ思っている。