「私の安易な言動で招いてしまったことなのね」 瞳さんはいつになく元気がない。 「もう何が良いことで、何がダメなのかの判断も鈍ってしまっているのね。誰かの怒りをそこまで買うなんて。私の感覚では世の中を上手く渡っていけないかもしれない」 瞳さんは自分が傷付けられたこと以上に、自分が相手の心を傷付けてしまったことを悔いている。 「瞳さんは悪くないですよ。相手が普通じゃない」 反論する俺を見て、瞳さんは小さく笑った。