翌日の朝刊に昨日のことが事件として載っていた。
小さな町だ。
普段、新聞に載るような事件があまり無いのも手伝って、町中が話題にするだろう。
高校が冬休みに入っていたことが救われた。
気が滅入ったまま、正幸の家の小屋に入ったのを覚えている。
あんなに練習して、楽しみにしていたクリスマス会の当日なのに、事情を知った要司と正幸は楓のことを気に掛けてくれていた。
「お前、彼女のそばに居てやれよ」
申し訳ないと思いながらも、俺は二人の言葉に頷き、小屋を出た。
楓は病院で寝泊りすると言った。
一人であのアパートに帰るのが怖いとも言っていた。
なにか必要なものを取りに行く時は必ず俺が一緒に行くからと約束した。

