ゆえん



期末テスト最終日の下校時間に、俺は楓のクラスの下駄箱へ行った。

帰りのホームルームはエスケープした。

今日、クリスマス会のことを伝えて、その日はアルバイトを入れないでくれと頼んでおかなくてはいけない。

楓に伝えると、運よく二十五日はアルバイトの予定が入っていなかった。

楓は俺の話を興味深そうに聞いていた。


「……ということは、私は浩介の彼女として、参加していいってことだよね」

「あたりまえだろ」

「うん。了解」


今まではっきりと楓に気持ちを伝えたことはなかったが、これで俺の気持ちは伝わっているだろう。

はっきりと言うのは二十五日、俺の決意表明の日だ。