ゆえん



それからも毎日、正幸の家にある小屋に行った。

要司が塾に通い始めて来ない日も、正幸に彼女が出来てデートで来ない日も、俺は一人で今まで以上にギターを弾き続けた。

それは決心を固めるための儀式のように、俺はひたすら弾き続けた。


初雪が降った日に、クリスマスには正幸の家の小屋でそれぞれの彼女を招いてクリスマスパーティをやろうと三人で計画した。

この話題が出た時、俺は初めて要司に彼女がいることを知った。

正幸も驚いていたから知らなかったのだろう。

この企画を口にした張本人は要司だった。


彼女たちの前で、何曲か演奏してみようということになり、俺たちは練習に励んだ。

俺は楓を呼びたかった。

今もアルバイトで忙しいのかもしれないが、楓に聴いてもらいたかった。

そして、俺は自分の中で、瞳さんに言われたことに対しての答えが決まってきていた。