楓がトイレに入っている時に、瞳さんは俺に楓が学校で嫌な思いをしていないかと訊いてきた。 「はっきりしたことは分からないけれど、俺がいるから安心してください」 俺は笑顔で答えた。 楓がアルバイトを増やしていたことを俺に言ってきたのはその翌週のことだった。 「瞳さんには言わないで。やっぱりお金が無いと大変なことが増えそうだから。それに私の高校の滑り止め受験費用を瞳さん、借りているらしいから、その返済も早く終わらせてすっきりしたいの」 俺に何か出来ることはないのか。