何故嫌な顔をしたのか、
それはすぐに理解した


「へぇー、仲直り出来たんだ。良かったね、澪ちゃん」


ニコニコしながら私に話しかける斗真さんとは違い、終始不機嫌な社長


「やっぱり俺の愛の鞭が効いたかな?」


なぁ、絢斗、と社長に振る
社長は面白くなさそうに
ワインを口にする


なんだ、この空気……
やはり今日はここに来るのはマズかったのかもしれないと思っていたら
クスクスと笑い始める斗真さん


「澪ちゃん、あいつの口元、誰にやられたと思う?」


口元…っ!
忘れていた!
一度は問い詰めたが
タイミングを逃し、部屋の片付けで
クタクタになりまたタイミングを逃してしまい、すっかり忘れていた


何故、斗真さんが知っているの?
……え?
私の荷物…は社長が持っていた…
って事は、
もしかして、斗真さんが?