「パーティー以来、つけてないだろ?これさ、パーティー用じゃないぞ?俺の奥さんって予約のしるしなんだけど」


わかってる?と指輪にキスをする
その仕草が色っぽくて
いつもの社長じゃないみたいで
変にドキドキしてしまう


「はぁー、そんな顔されたら俺はまた狼になっちゃいそう」


ぎゅっと抱きしめてくれる社長の身体は若干熱を帯びている
けど、それが社長のなのか
私の熱なのかいまいちわからない


『…1回なら、お受けできますよ?』


自分で言って恥ずかしくなる
襲ってくださいなんて
過去に口にしたことはない

多分、この先もないだろう
驚いたのだろうか、
社長の腕が緩んだ


社長?と顔を上げれば
私同様、真っ赤な顔をしていた


「そういうの…ほんと、やばいから」


恥ずかしさを隠すためだろうか
カチンと当たるキスを押し当ててきた