建築士の人の早川真尋さん
彼女は中学生の頃から親の都合で
海外を飛び回っていた

そして、大学入学を機に親から離れ
ホームステイをしたという
その時にたまたま同じホームステイ先に
社長もいて、意気投合をしたという

数週間という短い期間だったが
二人は将来の夢を語り合い
そしていつか、社長が家を建てる時は
真尋さんが設計してあげる、と
口約束をかわしてサヨナラをした


それがあのパーティー
偶然に8年ぶりに再会したという

二人は恋人同士だった、わけではない
だから優さんも澪さんも
斗真さんも知らなかったわけだ




「誤解は解けましたか?」


『……はい』


若干不機嫌な顔をしながらも
口元がニヤついている社長



「それでも、絢斗が悪いわ」


そうだ、
私に内緒でも、優さんに話してさえいてくれたら少しは違ったはずだ