「…えっ…と、社長は彼女と結婚されるんですよね?」



ずっと強くて聞けなかった言葉
その言葉に社長の目は丸くなった

そして、彼女は豪快に笑いだした



えっと……、違った?
ガックリ肩を落とし、ため息をつく社長
ギャハハとお腹を押さえて笑う彼女を
私は何度も見てしまう



「澪…、どうしたらそうなるんだ?俺は澪にプロポーズしただろ?指輪だって買いに行っただろ?」


…だって、だって…


『だって、パーティーで彼女と抱き合っていたし、彼女から電話があれば直ぐ出かけて行ったし…彼女と腕を組んで楽しそうに…。彼女のことを聞いたら答えてくれなかったでしょっ?』


言ってやった…
聞きたくて聞けなかったこと



「抱き合う?あー、あれね」


私の言葉に疑問に思ったのか
答えてくれたのは彼女の方だった