その日から、私はいつでも辞めれるようにと、優さんや他の社員さんへの引き継ぎや資料をまとめ始めた

優さんは何か言いたげな態度
社長は…
私と目を合わせないようにしている


『社長』と呼んでも
私の方を見向きもせず
用件を伝えると
「わかった」と言うだけ


そんなに私の事が嫌いか?
なら、なんで私を助けたの?

一時的な感情でプロポーズしたの?
ねぇ…どうして?



今までのことがなかったかのような
社長の態度に胸が苦しい






「澪さん、顔色が良くないですよ?」


家政婦の美帆子さんが心配そうに言う


『…疲れたかなぁ?食事、残しちゃってごめんなさい…早めに休みます』



美帆子さんはお母さん的な存在
とても居心地がいい
けど、いつまでも斗真さんに甘えるわけにもいかない


部屋を探さないと…
そう思いながらも身体が言うことを訊かず
そのままベットに倒れこんだ