そして、ついに来た



『おはようございます』


ドアを開ければ一斉に視線が刺さった
12日ぶりに出社した会社


澪ちゃん、と駆け寄る優さん


『おはようございます』


それだけ言って優さんを交わす
そのまま真っ直ぐ社長を目指す



『おはようございます。有給休暇を頂きありがとうございます』


そう言って差し出した封筒
社長はそれを確認するとギョッとした



「澪ちゃんっ、ちょっと話そう!絢斗もちゃんと澪ちゃんと話し合わないと」



社長が私を見る
その目は先日会った時のような
泳いではいない

悲しい目をしていた



「こもり、本気?」



久しぶりに聞く社長の声
それはとても冷たい



『勝手で申し訳ありません』



頭をさげると、社長のため息が聞こえた



「わかった」


けど、小森の次に入る子を探さないといけないから、それまで我慢して


そう言って社長は立ち上がり
事務所を出て行った