久しぶりに目にした社長は
少し痩せたように見える

優さん同様、走ってきたのか
社長も汗だくだ



「澪っ!」


社長の声にビクッとしてしまう
何を言われるか、わからない
もしかしたら、
別れようと言われるかもしれない


そう思っていたら、
予期せぬ所から引っ張られた


「絢斗、澪には触れさせない」


私をかばうように
藍さんが私の前に立つ



「なんなんだよ、俺がどれだけ澪を探していたかわかるだろっ!藍ちゃんには関係ないだろっ!」



絢斗、ここ病院だからと
立ち上がった優さんは
社長を宥めながら、開きっぱなしだったドアを閉めた


「関係ない?じゃあ、澪の顔見て…これでも私は澪を放っておけっていうの?」



社長が私の顔を見る
先程は突然な事でよく見ていなかったのかもしれない
社長の顔が苦しそうに見える