『お疲れ様でした、お先に失礼いたします。これから私は行くところがありますので、連絡は控えてください。では…』



事務所のドアを勢いよくバン、と閉めた



「澪っ!」


焦った社長の声が聞こえたが
知らぬ顔だ
急いでエレベーターのボタンを押した


丁度よく、箱が降りてきた
中へ入りボタンを押し、ドアが閉まった

ドアが閉まる瞬間、社長の慌てた顔が見えた




ざまぁみろ、と内心思う
社長と優さんも大変な思いをして
新事業へ取り組んでいた
けど、二人が新事業へ取り組めるよう
私なりにかなり仕事をこなした

残業だってした
休日出勤だってした


それに、せっかく婚約しても
社長とのんびりする時間やデートする時間だって無かった

我慢したんだよ…本当は寂しかった
身体を重ねたのも、あれっきり
あれから1ヶ月は過ぎている