Savior-社長は救世主-ⅱ




何が何だかわからなくなる自分の心
私ってこんなに嫌な奴だった?

泣きながら荷物を詰め込み
走って藍さんの家へ急いだ


歩いていける距離ではない
けど、こんなボロ泣きしている顔を
タクシーのおじさんやバスの運転手さんに見られたくない


藍さんの家の近くに着いた頃には
涙が止まっていた
と、いうか疲れてしまったのだ


泣き疲れと、走り疲れだ
インターホン押しドアが開かれた




「はーい、…み、澪っ?」



私の悲惨な姿を見た藍さんは
かなり驚いている

藍さんに会えてホッとした私は
止まったはずの涙をまた流した
しかも嗚咽が出るくらい…



『あ、藍さぁーん、うっ…わ、私…』


藍さんに出会って5年
こんな私を見たのは初めてだろう
藍さんはなにも言わず
私を抱きしめてくれた