Savior-社長は救世主-ⅱ




「気をつけて帰れよー」


のんきな声が聞こえたが
返す気分になれない



むかつく、ムカつく、スッゴイむかつく!



事務所を出た後、私はスマへをタップする




「もしもー…」


『藍さんっ!今日泊めてっ!』


藍さんが電話に出ると
私は怒鳴る勢いで言葉を発していた



藍さんは何かあったかなんて聞かない
「いいよ、何泊分持ってきなさい」
そう言ってくれた



一度、マンションへ戻り
4日分の着替えをバックに詰め込んだ


べつに喧嘩したわけじゃない
別れようと言われたわけじゃない

けど、社長がいない部屋に
一人でいたら
良くないことばかり考えてしまう


そして、あの光景が脳裏を過る
それがいちばん嫌だ
あの時、すぐ帰ったけど
あの後はどうなったの?
抱き合ってキスでもしたの?

私の心は黒ずんで行った