朝より浮腫みは取れたが、
斗真さんにはバレたようで
私を見るなり、笑ってくれた



どうした?と聞かれるよりいい
そして、斗真さんは
社長がいない事を知っている
社長の話を一切しない



「うちのホテルにあるエステでも行こうか、うちの奥さんもお気に入りなんだ」


助手席のドアを開けてくれた斗真さん
もし斗真さんが私の婚約者だったら…
思ってはいけないのはわかっている
けど、社長を否定しなければ
自分がどうにかなりそうだ



ホテルへの道のり
斗真さんはずっと奥さんや二人の娘さんの話をしてくれた


やはり奥さんは私と同い年
奥さんが一人っ子だということで
子沢山がいい、と言ったらしい

奥さんが妊娠を機に今の一軒家を建て
二人で住んでいたマンションを
社長に譲ったという


…?と、いうことは
今、私と社長が住んでいるマンションは
元々、斗真さんのマンションだったわけだ