Savior-社長は救世主-ⅱ



「で?別のとこにいくの?」


飲み終わったペットボトルをグシャグシャにしながら、私に聞いてくる
何故そこまで絢斗が怒っているのか
私にはわからない



『ち、ちがうよ!ただーー』


「俺が知らないとでも思った?」


私の言葉にかぶせて言う絢斗の声は
かなり低く、滅多に聞かないくらいの
機嫌の悪さだ


だから余計に身体がこわばる


『…な、なにが?』


もしかして、気がついている?
黙っていたことを怒っているの?


「澪さ、土曜日ってやすみだし、俺はここ最近かなり忙しいから、何やってるか知らない。どこに行ってるとか?誰に会ってるとか?俺は知らない」



ゴン、とペットボトルを床に叩きつけた絢斗はそのまま私の横を通り過ぎた

やっぱり気がついていたんだ
言わなかったことを後悔した