Savior-社長は救世主-ⅱ




はぁ?
少しの間があったが
絢斗は私から身体を離し
眉間に皺を寄せながら私を見る



『…仕事を辞めたいの』


もう一度言うと、あからさまに
絢斗の顔は不機嫌になった


「なんで?何が不満なの?」


『そういうわけじゃないの!幹さんも入って1年、優さんも事務所にいるし、私が抜けても大丈夫だかー』


大丈夫だから、と話を続けようとすれば
絢斗はベットから降り、寝室を出て行った


えっ?なんで!?
急いで絢斗を追いかけた



『絢斗、待って!話終わってない!』


絢斗はキッチンへ行き
冷蔵庫を開けていた



『幹さんを入れた理由は私が抜けても大丈夫なように、でしょ?』


私が話しかけると
ミネラルウォーターを一気に飲み始めた
ゴク、ゴク、と音が響き
それが、余計に私の身体を強張らせた