築数十年の白い学び舎の前、
私は大きな桜の木の下でクラス発表の文字を探す。
ひらりと舞い落ちる桜の花びらは、地味で殺風景な学校の雰囲気を変え、
ピンク色に世界を染めるーーー。
高校生活最後の年である三年生のクラス発表がされている三年生昇降口の前は、
そんな美しくて爽やかな春と情景とはガラリ、賑やかさで満ちていた。
私はそんな賑やかな間を、クラス発表の紙が見える位置まで通り抜ける。
「あっ!希子!」
真っ白な肌と細い足、加えて大きなパッチリ目が印象的
そんないちばんの友達、木島凪沙ちゃんが私に向かって手を振ってやってきた。