あの人から聞くあなたのママの話は
あまりいい印象を受けない。
だから、幸せにしてあげたい。
あの人とあなたと…私が幸せに
してあげたい。
そう願ったから…。
「うん!ママ!!」
元気一杯そう叫んで
抱きついてくれた。
涙が溢れ出そうになる。
意味は分かっているのだろうか?
イヤだと言われ嫌われるかも
しれない不安なんかどこかへ
消えてしまい
「ママ」と呼ばれる嬉しさに
胸がギュッと熱く…
苦しくなった。
だけど愛人の私にとって、こんな
嬉しいことはない。
ああ…本当に、
この子のママになりたい。
ジュン君の体はまるくて
まだ骨まで柔らかい。
「あら、こんにちは」と女の人の
声がした。
空気は一変に変わる。
現れたのは、あの人の奥さんだった。
そして、腕の中には
小さな女の子がいた。
「今日はバレンタインでしょ?
あなたの分もつくったのよ。食べて」
なぜ私の存在と、私がここに
いることが分かったのかは
分からない。
「バレンタイン…」
愛人にバレンタインを送るって…
どうかしてるわ。
夢だからと、安心する自分はそこには
無く、ただ警戒心と恐怖心を抱きながら
箱を受け取った。
その箱は案外大きく
それを開けると
子供が作ったような、クッキーが
入っていた。
娘が作ったのだろうか…?
一瞬、この人は、なんにも知らず
私をどこかの親戚みたいに
思ってるのかと思ったけど
…違う。
何か文字が書いてある。
小さな子は漢字なんか
書けないもの。
でもなんて書いてあったのか。
読めなかったのか、覚えてないのか
もう忘れたけど、この人とこの娘は私のことを良く思っていないことだけ分かった。
それはそうだろう。
私は愛人だもの。
なぜ貴女が私のことを知ってるか
不思議だったけれど、これは夢だもの。
ジュン君を抱きしめたところで
目覚めればよかったのに
そうならなかったのは、
夢でも現実でも幸せになれないと
いうことだったのでしょう。
(2016/02/27 22:18:34)
あまりいい印象を受けない。
だから、幸せにしてあげたい。
あの人とあなたと…私が幸せに
してあげたい。
そう願ったから…。
「うん!ママ!!」
元気一杯そう叫んで
抱きついてくれた。
涙が溢れ出そうになる。
意味は分かっているのだろうか?
イヤだと言われ嫌われるかも
しれない不安なんかどこかへ
消えてしまい
「ママ」と呼ばれる嬉しさに
胸がギュッと熱く…
苦しくなった。
だけど愛人の私にとって、こんな
嬉しいことはない。
ああ…本当に、
この子のママになりたい。
ジュン君の体はまるくて
まだ骨まで柔らかい。
「あら、こんにちは」と女の人の
声がした。
空気は一変に変わる。
現れたのは、あの人の奥さんだった。
そして、腕の中には
小さな女の子がいた。
「今日はバレンタインでしょ?
あなたの分もつくったのよ。食べて」
なぜ私の存在と、私がここに
いることが分かったのかは
分からない。
「バレンタイン…」
愛人にバレンタインを送るって…
どうかしてるわ。
夢だからと、安心する自分はそこには
無く、ただ警戒心と恐怖心を抱きながら
箱を受け取った。
その箱は案外大きく
それを開けると
子供が作ったような、クッキーが
入っていた。
娘が作ったのだろうか…?
一瞬、この人は、なんにも知らず
私をどこかの親戚みたいに
思ってるのかと思ったけど
…違う。
何か文字が書いてある。
小さな子は漢字なんか
書けないもの。
でもなんて書いてあったのか。
読めなかったのか、覚えてないのか
もう忘れたけど、この人とこの娘は私のことを良く思っていないことだけ分かった。
それはそうだろう。
私は愛人だもの。
なぜ貴女が私のことを知ってるか
不思議だったけれど、これは夢だもの。
ジュン君を抱きしめたところで
目覚めればよかったのに
そうならなかったのは、
夢でも現実でも幸せになれないと
いうことだったのでしょう。
(2016/02/27 22:18:34)


