夢の跡

どうしよう。ジュン君がいない
あの人に…
あの人になんて言おう…。

もうダメだと思った時
「キャハハ」と元気な声が
聞こえた。

視線の先にコロコロころがりまわる
男の子がいた。
その姿はジュン君だった。

私はホッとして、ジュン君に駆け寄る。
どこ行ってたの?と言うと
ジュン君は「パパのところ」と言った。

「パパのとこ?…よかった…」

私はジュン君をギュッと抱きしめた。

「お姉ちゃん泣いてるの?」

ジュン君は心配そうに
私の顔を見つめる。


「ジュン君、お願いがあるの。
私のことママって呼んで…?」

なんでこんな事言ってしまったんだろう?
私の中の黒いものが表に出てしまったのか。

でも純粋にこの子のママになりたかった。