目の前に鞭を持った燕尾服のゼロがいる。



…あのヒラヒラ、邪魔じゃないのかな?



「貴様、戦闘によそ見をするとはな。」


「…え?…あっ!ごめーん。君のそのヒラヒラが邪魔そうだから~。」



だって鞭が今にもヒラヒラに絡まりそう。



「ふん、人間ごときが。悪魔がこれっぽっちのことでどうかなるとでも?」



いや、なりませんけど。



悪魔を主張してくるほどだからね。




俺は強いとか言いたいんだろうね。





しかしあたしは秘策がある。



「ふ、ふふーん。そんなことでどうにかなるとは思いませんけどぉ?でも人間が悪魔に勝てないだなんて決まったわけでもないしぃ?」



「女、そのしゃべり方キモいぞ。」



八神に突っ込まれた。



分かってるよ!わざとだもん!



「ふん、人間ごときがそんなこと言うとはな。ならば試すのみ!」




ゼロが勢いよく鞭を振りかざした。





攻撃可能距離約5メートル

威力は木を折るほど

鞭の端に当たるほど殺傷率は高くなる





頭に情報が入ってくる。

鞭の動き、速さ、威力…

全てがあたしの視界に捉えた。






「…ふーん、手加減、したね?ゼロさん。」