「さっきの王様ゲーム、ラッキーって思ってたでしょ?」
恵南、やっぱり鋭いな。
テーブルには俺と恵南しかいなくなっていた。
「そりゃあ、思うだろ。」
俺がふてくされたように言った。
たぶん、恵南には俺の心はお見通し。
「でもなかなか揺れないのがなるだからね。」
そんなの重々わかってるよ。
あんなに鈍感だとは思いもしなかったけど。
「でも好きなんだから振り向かせたいっておもうじゃん?」
「ほんと、しょうは一途だね。」
涼華みてると、俺が笑顔になれる。
涼華といるとすげぇ楽しい。
だから俺のそばにいてほしいって思うんだ。
「じゃあ、思う存分『好き』って気持ちをアピールしなきゃね。」
恵南の言うとうりだ。
でもどーやっていいかわかんねぇのが俺の心境。
「でも、好きだからそこ涼華の気持ちも大切にしなきゃって思う。」
俺が幸せはダメだ。
涼華も俺も幸せじゃなきゃ意味ない。
「とりあえず、なる呼んでくるから待ってて」
恵南の心使いに感謝っす!
やっぱり、仲を深めるにはたくさん話すのが第一歩だよな。
「勝希、話って?」
別にねぇけど、ここは無理やり話題作んねぇと。
「旅行、やっぱ楽しみ?」
俺がそう言うと涼華の目は輝きだした。
そんなに旅行が楽しみなのか。
高校野球好きにとっては『聖地甲子園』に行けるわけだから楽しみだよな。
俺は陸上競技部だったから野球については詳しくねぇ。
でも涼華の輝く目を見てると俺もテレビで見てみようかなって思える。
「そいいえば、涼也はポジションどこ?」
涼華からの質問。
えっとどこだったけな。
あいつ、野球のことベラベラ話すタイプじゃねぇし。
「確か・・・・キャッチャー?」
「えー!あんな奴がキャッチャーでいいの?」
んー?キャッチャーなんて誰でもいいんじゃね?
そう思っていたけど、涼華の話を聞いていて同じ気持ち気になった。
「だって、キャッチャーはチームの要だよ?」
涼也は俺と一緒ではしゃぐタイプ。
しっかりしてるけど、俺と同じで限度を超えることがある。
そんな奴が『チームの要』だとこっちは不安だな。
俺には涼華っていう止めてくれる奴がいるけど。