「はよ。今日、涼華、先行ってるって。」
「おう・・・」
駅に行くと勝希しか来ていなかった。
2回目だ。
勝希と2人で登校するのは2回目だ。
「涼華、なんかあったの?」
聞いているうちに電車が来て俺らは電車に乗る。
勝希は「知らない」って答えるけど、知っているはず。
まぁ、深追いはしないでおこう。
それに、勝希の顔は険しい顔をしている。
学校で聞くしかねぇな。
昼休み、涼華のクラスに行ってみよう。
俺達は電車から降りるとそれぞれの学校へむかった。

1限の授業が終わると、ある女子生徒が俺を呼んでいた。
「えっと、私達、成宮涼華の友達の薫と」
「麻呼です。」
2人は涼華の友達らしい。
話があるようだが、その内容は驚くべきものだった。
「なんで、昨日、すずは涼華は早退したんですか?」
は?早退?何それ!?
すると麻呼さんがこう言った。
「なんで、涼華は髪をきったんですか?」
髪、切ったの?
は?俺知らねぇよ。
てか、なんで俺に聞きにきたんだよ。
「俺、何も知らねぇ」
早退?髪?何も結びつかねぇ。
俺の頭の中、もう、ぐっちゃぐちゃだ。
「俺から聞きます。涼華に何があったんですか?」
「私達も知らないんです」
麻呼さんに続いて薫さんが言った。
「昨日の昼休みに、女の子3人に呼びだされてから・・・」
涼華はそのあと早退したようだった。
二限目が始まる前に2人は教室に戻った。
嘘だろ?としか言いようがない。
俺、どーすればいいんだ?
女から呼びだされたってことは俺に告ってきた奴?
最近告ってきた奴の中で俺と涼華の仲の良さを知ってしまった人。
あ、『音楽科の岩本ミカ』
告ってきた時すぐ断わって涼華に駆け寄ったからだ。
あれだけで、不満持つかよ・・・。
俺にも仲いい女くらいいるっつの!
あーくそ、『岩本ミカ』に釘刺しに行くか!