その後私は早退した。
私はあの女子3人に突き飛ばされたり、蹴られたり・・・。
しまいには、ハサミで髪を切られてしまった。
私の心も体ももうボロボロだ。
体中に擦り傷があって、ズキズキと痛む。
家で、ボーっとしていると電話がなった。
「涼華?今日一緒に帰れねぇ?」
相手は勝希のようだ。
「・・・・・」
「・・・涼華?何かあった?」
勝希・・・。
勝希の声を聞くとなんだか安心して涙が出てきた。
「・・けて」
「涼華?何があったんだよ?今どこ?」
「助けて!!」
泣きじゃくりながら言った私の声はちゃんと勝希に届いたか心配だった。
「今から行くから、待ってろ」
私が家にいることを告げると、電話をすぐにきった。
いま、勝希は私の所に来てくれているのだろう。

ピンポーン。
玄関のドアを開けると、勝希がいた。
まだ、1時間も経ってないのに。
「勝希・・・」
勝希を見ると、なんだか安心した。
気がつくと勝希に抱きしめられていた。
「何があった?この髪。全部話せ。」
そう言うと抱きしめる手に力が入った。
私の部屋まで連れて行くとベットに座らせてくれた。
そして、全てを勝希に話した。
なぐられたり、けられたり、髪を切られたり。
「お前、辛かったな」
そう言って私を抱きしめてくれた。
耳元で、「俺が守る」って言ってくれたのが分かった。
涙が出てきて、勝希の制服を濡らしてしまった。
「雅のやつ・・・」
「雅は悪くないっ。私があんなこと言ったから。」
私がそう言うと「あんなこと?」と聞かれた。
「『あなた達こそ、雅の何なんだろうね。』って」
勝希は「悪くない」って言ってくれたけど。
「この髪、どーすんの?」
私の胸まである黒髪のストレートヘアはバッサリと切られてしまった。
「お母さんに頼んだ」
私の母は美容師だから、髪は母に切ってもらっている。
早退してからすぐに、お母さんにLINEしたから、大丈夫。
それから、㉚分くらいしてお母さんが帰ってきた。
「こんにちは、勝希です。おじゃましてました」
勝希は挨拶すると、すぐに帰ってしまった。